重金属除去

重金属による環境汚染はますます問題になっており、世界中で悪影響をおよぼしているため、大きな関心事となっています。これらの無機汚染物質は、急成長を遂げる農業や金属産業、不適切な廃棄物処理、肥料や農薬などにより、水や土壌、大気中に捨てられています。

カロメル処理は塩化第二水銀による水銀蒸気の酸化に基づいており、塩化第一水銀（カロメル）を形成します。 

まず HgCl₂ を含む塩化水銀溶液を充填塔の上で循環させます。すると水銀を含むプロセスガスが充填材を通過し、水銀が塩化水銀と反応して塩化水銀が生成されます。塩化水銀は不溶性であるため、溶液から析出されます。主塔循環流の側流は一次沈殿槽に導かれ、塩化水銀は円錐形タンクの底に沈殿します。清澄化された溶液はあふれ出てスクラビング塔のポンプタンクに戻されます。一次沈殿槽の底に溜まった固形物は、塩化第二鉄がさらに濃縮される二次沈殿槽へと流れ込みます。 

二次沈殿槽では、亜鉛末を添加して溶液からの水銀の沈殿をさらに促進することができます。二次沈殿槽の固形物は貯蔵用ドラム缶に排出されたのち販売されるか、さらに処理されます。スクラビングプロセスでは、スクラビング溶液から塩化水銀が除去されます。

湿式電気集塵機は、有害廃棄物焼却炉、医療廃棄物焼却炉、金属製錬、亜硫酸パルプ回収ボイラー、銅ロースター、硫酸プラント、および配向ストランドボード・中密度繊維板を含む木材乾燥機、またはペレットミル乾燥機を含む幅広い用途で使用されています。

GEA 湿式電気集塵機 (WESP) は静電気力を使って微粒子を除去します。これは、サブミクロンの微粒子、エアロゾル、または煙霧でガス流を処理するために使用されます。これらには、鉛、ヒ素、またはカドミウムなどの重金属、三酸化硫黄（SO₃）などの縮合酸エアロゾル、または縮合揮発性有機化合物（VOC）が含まれます。静電気力の使用は、低空気抵抗を克服するために大量のエネルギーを必要とする他の技術と比較して、エネルギーコストを最小限に抑えます。

GEA の SDA プロセスはシンプルなコンセプトに基づいており、長年にわたって洗練され、精密で効果的なシステムへと成長を遂げました。噴霧乾燥吸収チャンバに供給され次第、高温で未処理の排ガスにはすぐに噴霧状のスプレーがかけられます。 

ガスの分配やスラリー流量、液滴サイズを精密に管理することで、すべての液滴を微粉にすることができます。排ガス中に活性炭を注入すれば、水銀やダイオキシンの除去が促進されます。飛灰や反応生成物の一部は吸収装置の底に落ち、排出されます。 

処理後の排ガスは集塵装置に送られ、残った浮遊物が除去されるようになっています。その後、浄化された排ガスがスタックから排出されます。一方、吸収装置と集塵装置の底に溜まった乾燥粉末はサイロへと搬送されます。 

SDA プロセスではオプションとして、反応生成物の一部をフィードスラリーにリサイクルし、吸収・乾燥性能を改善することができます。