グローバル製薬業界の変革の時

22 Jun 2020

製薬業界の変革の時

進行中の新型コロナウイルスの大流行が世界の製薬業界に何かを教えてくれたとすれば、共同と協力こそが迅速な医薬品開発のまさに礎であるということです。それはおそらく、イノベーターとジェネリック医薬品製造業者の双方が、将来的にも現在においても新しい治療法を市場に投入する際に採用すべき基本的な原則となるのではないでしょうか。

新型コロナウイルスに対応して、世界の産業環境は変化しています。 そして、「必要不可欠」であるとされるすべての産業の中で、医薬品製造分野ほど重要な産業はないかもしれません。もちろん、新型コロナウイルスに対するワクチンの発見と開発には膨大な時間と労力が費やされていますが、一方で世界中の患者は以前として常用薬や処方箋に頼っており、その大部分は固体剤形です。

従来、製薬業界は錠剤やカプセル剤を製造するためにバッチ製造プロセスに依存してきました。これは、大規模な専用製造施設を必要とする複雑な手順です。GEAは、他のセクターからインスピレーションを得てこれらのシステムを補完し、時には代替するための連続製造(CM)ソリューションの設計、構築、導入を先駆的に行ってきました。CMでは、製品開発の迅速化、コスト削減、生産経済性の向上、製造の柔軟性の向上などの要求に応えるために、材料の充填と排出を同時に行います。

この技術により、製造業者は効率的で費用効果の高い方法で生産を向上し、規制当局によって導入されるますます厳しい承認基準に準拠することができます。その他の利点としては、OEEの向上、研究開発の最適化、スループットの向上、廃棄物の削減、柔軟なバッチサイズ、洗浄コストと材料の削減などが挙げられます。
しかし何十年もの間、大型固体製剤のバッチ生産が業界で優位を占めていました。利益性のため、各社は刷新や新しい製造技術の開発をあえて行おうとする動機がありませんでした。しかし、大型製剤後の時代では、薬品開発の間の材料費が高額なこと、新薬製品がずっと少量で製造される傾向があること、斬新な処理については特注の商業生産プロセスの開発が保証されないことがますます認識されてきています。

このような圧力によって、従来のバッチベースの開発や製造に関する費用、リスク、タイムラインが精査されています。この上、監督機関はますますCMを支持するようになり、製造業者は現在の品質保証費が、仕様外製品の生産、検出、除去がほとんどゼロに近い他の産業と比較して不釣り合いなほど高額なことを自覚しつつあります。

しかし、機関のサポートやCMを支持する証拠の蓄積にもかかわらず、疑念は残っています。CMが低コストの医薬品を大量に処理できるかどうか、適切な装置を購入して設置するための財務面は問題ないか、規制当局が連続処理の技術開発に追いつけるかどうか、などの質問が頻繁に寄せられています。そして、おそらく最も憂慮すべきこととして、保守的な医薬品製造業界が進んで困難と闘い、「継続し続ける」ことの利点を充分に理解できるかどうかということです。

一部の企業では、おそらくCMは「持っていればより良い」オプションではあるが、製造インフラの本質的な構成要素ではないと見ており、CMを採用する機敏さや能力に欠けていたのではないでしょうか。多くのバッチシステムは完全に適切であり、長年にわたって継続的に使用されています。あまりにも高価と言う人もいれば、複雑すぎると言う人もいます。新型コロナウイルスは、良くも悪くもその考え方を変えてしまいました。変化の触媒としての役割を果たすことで、世界中の製薬会社は迅速に対応し、安全で効果的かつ高品質な治療薬を可能な限り最短の期間で製造する必要性をよりよく理解しており、被害に遭った患者の未だに満たされていないニーズに応える努力をしています。市場投入までの時間が重要です。

焦点はシフトしています。もはや、可能かどうかの問題ではありません。やらなければならないのです。変化の時が来ました。最終製品に関わらず、市販薬やジェネリック医薬品から新規製剤に至るまで、継続的な製造の時代が到来しています。

Industry 4.0の対応

同時に、医薬品製造の世界はかつてないほど進化しています。この変化の多くは、接続性の向上およびインダストリー4.0(第4次産業革命)によって推進されています。ConsiGma® 4.0は、産業用のインターネット・オブ・シングス(IIoT)に対応しています。リアルタイムでデータを収集・分析する能力により、より迅速で効率的な製造プロセスが実現し、さらに高品質な製品を低コストで生産することが可能になります。

その他の利点としては、サプライチェーンの透明性の向上やジャストインタイムの製造の実践が挙げられ、デジタル化や高レベルの自動化と組み合わせることで、開発期間の短縮や製品ライフサイクル管理に対する業界の要求を満たすことができます。重要な品質属性の工程内管理(CQA)と、連続製造技術によって行われるリアルタイムフィードバックは、もはやオプションではなく不可欠となっています。市場投入までのスピードがこれまでになく重要になっています。

ConsiGma® 4.0:連続製造(CM)の未来

GEAは、継続的な経口固体製剤の造粒、乾燥、錠剤コンプレッサ機器のConsiGma®のポートフォリオを拡大、統一、統合することで、このコンセプトを全面的に受け入れています。開発、パイロット、臨床、生産の各段階で、粉末をコーティング錠剤に移行させるために設計された多目的のConsiGma® 4.0プラットフォームは、専用のユニット操作用のスタンドアロン型またはモジュール型プラントとして供給され、サードパーティ製の機械を使用して、新規および既存の施設に設置することが可能です。

ConsiGma® 4.0

このような不確実な時代に、世界的に活躍する機械・プラントエンジニアリング企業であるGEAでは、コロナウイルスやその他疫病との戦いにおいて、その役割を非常に真剣に受け止めています。ポストコロナの世界を見据え、私たちは最先端のCM機器を誰もが利用できるようにするための大きな一歩を踏み出しました。

製薬業界から信頼されるサプライヤーとして、より全体的かつ包括的なスタンスをとることで、より幅広く多様な企業に、さらに効果的で柔軟性があり、コスト効率の高い生産ソリューションを提供することができるようになりました。GEAは、最上位の完全に構成可能な製造システムであるだけでなく、お客様固有の「bin-to-bin」ソリューションを提供し、既存のプラントに接続することができます。

「Engineering for a better world」をモットーに、GEAと私たちのパートナーは、医薬品開発と製造の未来を変革する可能性を秘めた、より小型で柔軟性のある連続処理技術への道をリードしています。そして特別に調整された量の医薬品を必要としている患者さんに、迅速かつ効率的にお届けします。旅の続きのステップをつくるConsiGma® 4.0

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次世代のConsiGma® 4.0

仮想世界のためのデジタル化されたアプリケーション

ConsiGma® 4.0を補完し、これまで以上にデジタル化された世界に適応するために、GEAは多大な時間とリソースを投資し、最先端分野の拡張およびバーチャルリアリティ(VR)アプリケーションの開発を行ってきました。現在では、計画、テスト、設置、サービスのほか、トレーニング、モデリングプラットフォーム、デジタルツインのための包括的なリモートサポートツールスイートを提供しています。例えば、CM実装戦略のサイズやスケールに関わらず、GEAのSCADA準拠のConsiGma® 「Conductor 4.0」制御ソフトウェアは、独立したユニット操作の統一および統合を促進します。
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