インスタント食品の脂質を減らす

05 Jun 2015

TechnologyTalks convenience food

例えば英国では、大人は 1 日に 39 分しか食事に費やすことができないという調査報告が出ています。このことから、調理済みの食料、ソース、軽食に対する人気が急速に成長している背景に、原動力としての簡便さがあることは間違いありません。

インスタントの成長

簡便さは、将来的に間違いなく重要な原動力になるようです。そして健康と幸福がますます強調され、外食の定義が変わりつつあります。

インスタント食品部門は近年目覚ましく成長しており、そのため製造規格と法規制の順守がより強調されるだけでなく、小売店舗へも影響を与えています。先進国と発展途上国を問わず、インスタント食品の表示及び生産に関しては、厳しい規則が存在しています。そして、主として新興経済国では、女性の労働人口の増加に伴いインスタント食品に対する需要が上昇しています。また、世界中で進む多忙化と高齢化も、他の主要な要因です。今日、購買者を駆り立てるものは、価値、簡便性、信頼性、そして技術です。

特に BRICs 及び 中東・北アフリカ市場では、世界規模の流通網が拡がり、消費者が市販品を購入する傾向が強くなっており、多くの巨大多国籍企業が、インスタント食品市場を開発し、新しい異なる地域に浸透するためにさまざまな戦略を採っています。しかし、それを正当に実現するには、現地の消費者の嗜好に合う製品を適切な価格で提供することが重要です。

GEA infographic 39 minutes per day to eat

社会や経済の変化も成長を押し上げています。購買者は少量の買い物を頻繁に行っており、小さな世帯、長い就労時間、廃棄食品の削減といった変化が、インスタント食品市場を強化しています。

そのため、準備が簡便な様々の加工食品は、高栄養の代替食品を持続可能な方法で提供することができるため、それが必要な今日の都会的生活様式は、業界の重要な原動力になっています。また、都市化の拡大に伴い、世界の 70 億人の半数 (世界の温室効果ガス排出の 70% 以上の要因) が都会に住んでいます。悲しいことに、人口増加と共に、常勤雇用者が増えて1 人当たりの所得が上昇し、「世界的な肥満現象」も新たな傾向になっています。

GEA TechnologyTalks obesity inforgraphic
人は何を食べているかで規定される

世界保健機関によると、世界の肥満率は 1980 年以降ほぼ 2 倍になっています。世界の人口の約 65% が現在住んでいる国々では、太り過ぎまたは肥満が原因による死亡者数が、体重不足が原因で死亡する人数を超えています。肥満は、アテローム性動脈硬化 (症)、糖尿病、脳卒中、心臓麻痺を含む深刻な状態を悪化させるリスクを増やします。

インスタント食品は不健康な食事とみなされることがよくありますが、「速い」が必ずしも「脂っこい」わけではありません。また、すべてのインスタント食品を不健康なものと位置付けるのは、いささか不公平かつ不正確です。それは、陳列された栄養のある多くの選択肢 (パックされたフルーツ、野菜、サラダから、低カロリー食品や健康飲料まで) と矛盾しています。そして、これらのものへの需要は上昇しています。また、調査によると、健康に良い高品質のインスタント食品を購入する場合、消費者はプレミアム価格に抵抗がないとのことです。タンパク質、機能性繊維、ビタミン、プロバイオティクス、及びオメガ 3 脂肪酸が豊富な健康インスタント食品に向かう傾向が増大しています。

最近の報告書『A Look into the Future of Eating』は、低カロリー食品の消費が 18% 伸び、スナックバー、ヨーグルト、果物に対する需要が 16% 増えると予測しています。この調査結果は、この傾向の背景に人口の高齢化があることを示唆しています。人は年齢を重ねるに従い、果物や野菜の摂取量が増える傾向にあります。そして、糖尿病、心臓病、高血圧などの健康問題を抱えていると、恐らく医師からの食習慣改善命令に従います。更にまた、例えばセレブシェフによる学校給食の質の改善を求めるキャンペーンは、より健康的な食事に向けての原動力を先導します。政府機関も、製品への塩、砂糖、及び脂質の使用量を減らすよう、食品生産業者に圧力をかけます。

GEA infographic 16% increase in consumption of snack bars, fruits and yoghurts
メニューにある健康

生産業者が現在直面している課題は、自社の製品が簡便性のみの製品より優れている、と消費者を説得することです。調査結果では、「消費者は、意義深い本物の製品に対する欲求を反映した、より良いものを買いたがっています。実際、世界中の消費者の約半数は、本物、自家製、または本物の原材料を使った製品として販売されているものが、食品や飲料を選択する際に大きく影響すると明言しています」と述べられています。

食品の前処理、浸漬、加工、スライス、及び包装用機器の設計者であり製造業者である GEA は、この要求に応えてお客様を積極的に支援しています。製品と技術部門の責任者である Robert Schmiehusen 氏は、次のように指摘しています。「塩、脂質、砂糖は、通常香りをもたらします。それを取り除く場合、代わりに何を使用しますか ?原材料を変更すると、機器の製品処理方法や、製品の賞味期限及び費用にも影響が出ます」

お客様に対するサービスの一部として、GEA の技術専門家はその機器と適用ノウハウを使い、お客様が収益性を維持できる健全なレシピの変更になるように支援します。オランダにある当社のテストセンターでは、お客様や原材料供給者は様々なプロセスをお試しいただけます。「例えば当社には、食品を実際に油で揚げるのではなく、高速気流を使ってフライを作る調理器具があります」と Schmiehusen 氏は述べています。「また、当該テストセンターでは、当社の揚げ物の衣の供給者を支援し、揚げ鍋の代わりに熱風炉を使用して食品に衣を付けました。その結果脂肪分が減って、より健康的な製品となりました」

技術的解決策

GEA には、高圧均質化という技術もあり、飲料、ソース他の液体製品を加工する際に重要な部分となります。均質化を行い、粒子径を縮小して統一化すると、製品の安定性が増し、舌触りも味も改善されます。当社の分離機を使用して低温殺菌の前にバクテリアの数を 90% 減らすことにより、ESL (Extended Shelf-Life: 賞味期限延長) 牛乳を生産することができます。この低エネルギー技術を利用すると、従来の新鮮な牛乳と同じビタミン含有量で賞味期間が 21 日以上という製品が得られます。GEA の凍結乾燥機は、冷凍食品を真空状態で乾燥し、氷を蒸発させることにより、食品の賞味期限を延ばすことができます。この方法により、製品は形状、味、及び栄養素含有量を維持しつつ、軽量となり輸送が簡便になります。そして、最後にご紹介する GEA の冷凍技術群からは、食品の生産、輸送、保存で一貫して、革新的な冷凍・保冷技術を提供します。

調整気相包装

お客様は製品製造の変更に柔軟に対応する必要があるため、包装システムの機能性もそれに対処できねばなりません。粉体製品は世界中に出荷され、頻繁に保管期間が延びるため、製品の有用寿命が制限される実際の劣化リスクが存在しています。食品・酪農業界に対して GEA が 20 年以上も提供してきたガスパッキング技術を利用すると、お客様は貴重な粉体製品の保管・出荷の物流に対処することができます。

梱包を閉じる前に窒素と二酸化炭素の混合ガスで製品を効果的に包むと、保存可能期間を 7、8 年延ばすことができます。これは、生産サイクルに合わせた製品の大量保存や、世界中の季節的な需要及び値付けによる利益を考えている企業にとっては理想的なソリューションとなります。

Schmiehusen 氏は最後に、「より健康的な食品の準備をお手伝いすることにより、当社は全世界の人々の健康に貢献しています。これこそまさしく、「Engineering for a Better World」と言えます」と締め括りました。

Kanes Food の料理サンプル

前処理から包装まで

食品産業を支援

GEA が専門とする機器及び加工により、生産業者は品質を改善し、製品の賞味期限を延ばすことができます。1 台の機械から完全統合型の生産ラインまで、GEA は肉、鶏肉、魚、チーズ、その他の食品の、前処理、浸漬、加工、スライス、及び包装用機械の主要なサプライヤです。
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