大手の医薬品製造会社のプロジェクトチームが、ConsiGma™ の技術およびプロセス特性に関する性能と制約を評価するために徹底的な実現可能性調査を開始しました。

連続製造の増加

従来、医薬品産業は薬品を生産するのにバッチ製造プロセスに頼り、そこでは材料がプロセス開始の前に投入され、最後に排出されていました。皮肉なことに、それほど管理されていない他のほとんどの産業は産業革命の時にCM (continuous manufacturing: 連続生産) に移行していました。材料が投入され同時にプロセスから排出される CM は、より高い品質の製品を一貫してもたらすので、一般的により効率が高いと考えられています。

最新の GEA のケーススタディ (『Envisioning the Factory of the Future』) では、著者は次のように記しています。「医薬品産業が苦しい状況にあるということを聞いても驚くことではありません。多くの国では、医療予算が削減されつつあるため、価格や払戻し率の低下につながっています。この展開は、粗利益と売上高に悪影響を及ぼしています。市場シェアを積極的に伸ばそうとしている後発企業から仕掛けられる競争の激化は一貫した脅威であり、処方薬を扱う医薬品会社の研究開発の成功率は大幅に低下しています。その一方、大ヒット商品の特許保護はゆっくりではあるものの、確実に消滅しつつあります。

これらすべての要素により、企業の収益が減少しています。また、パイプラインおよび収益性を維持するには、研究開発予算の上積みが必要ですが、これは、薬品生産サプライチェーンのあらゆる部門や職務がその効率を飛躍的に向上する必要があることを意味しています。製品開発を高速化する必要があります。費用の削減、生産の経済面の改善および製造柔軟性の向上が重要です。また、CM 技術はこれらの困難な課題の達成に重要な役割を果たしています。

費用効率に加え、新たな技術の実装時に発生したもう 1 つの障害は規制です。ただし、ICH (International Conference on Harmonisation: 医薬品規制調和国際会議) ガイドライン (Q8/9/10) での QbD (Quality by Design: クオリティバイデザイン) の導入、および FDA (Food and Drug Administration: 米国食品医薬品局) の「Pharmaceutical Quality for the 21st CenturyA Risk-Based Approach」イニシアチブ以来、CM は積極的に推進されてきました。

連続造粒

湿式造粒は、固体剤形混合粉末のフロー特性、均質性および圧縮性の向上に重要な役割を担っていることから、医薬品産業で幅広く使用されているプロセスです。流動床造粒機や高せん断力混合機は、通常、従来のバッチ湿式造粒プロセスで使用されます。これら 2 つの技術は、固体撹拌に使用される技術と粒子成長のモードに関しては異なりますが、どちらも、薬品の開発と製造への適用には長い歴史があります。ただし、近年では、準連続および連続造粒技術が市場投入までの時間の短縮と生産面での費用対効果の向上の手段として調査されてきました。

従来のバッチ造粒では、時間と費用の両方がかかります。さらに、バッチ造粒プロセスに関連したスケールアップ問題の多くは、連続造粒プロセスを適用することで回避できます。類似するプロセスパラメータを使用する場合は、同一の装置を研究所規模の生産にも大規模生産にも使用できます。

業界の関心が CM に向けられ始めたため、世界有数の研究を基盤とする医薬品会社の一部がこの技術を早くから取り入れてその潜在的な可能性に投資しました。OSD (oral solid dosage: 経口固体剤形) CM 技術市場の評価を試み、この革新的な製造技術を支持する、化学とリスクに基づく戦略的意思決定を評価し、また最適な装置とベンダを選択することを目的として、このような企業の 1 つにプロジェクトチームが結成されました。彼らは、GEA の高せん断力連続湿式造粒と乾燥技術に焦点を当てました。

ConsiGma™

ConsiGma™ は多目的のプラットフォームで、1つのコンパクトなユニットで開発、パイロットテスト、臨床、生産の数量で粉末をコーティング錠に転換するように設計されています。システムは投薬、原料の混合、湿式または乾式造粒、乾燥、打錠、品質管理ができますが、これらはすべて 1 つのラインで行われます。細粒を連続的に生産することで、機械をどのくらいの時間運転するかによってバッチサイズが決定され、ConsiGma™ の革新的設計によって開始と終了の間に発生する廃棄物量が従来の方法と比較して著しく減少します。品質はプロセスの間ずっと測定され、1 つの錠剤あたりの費用が劇的に削減されます。

ConsiGma™ は FDA (Food and Drug Administration: 米国食品医薬品局) のQbD (Quality by Design: クオリティバイデザイン) イニシアチブに準拠して開発されました。これは時間や費用がかかる検証やスケールアップを避けながらリスクを低減し品質を高めて製品を市場により速く安価に出すという業界のニーズを満たしています。固有の柔軟性により、メーカは要求に応え、高価な無菌室スペースを最小限に抑え、在庫費用を低減できるようになります。

オプションで統合されている高度なプロセス制御と PAT (Process Analytical Technology: プロセス分析技術) ツールによって生産の間の監視が可能になるので、品質は最初から製品に組み込んで設計することができます。ConsiGma™ はエネルギー効率の良い方法で最大のアウトプットを提供し、100 以上の異なった製剤で試験され、すでにいくつかの大手の医薬品会社、さらに世界中の処方薬およびジェネリック薬の研究機関および製造センターで使用されています。

ケーススタディ

大手の医薬品製造会社のプロジェクトチームが、ConsiGma™ の技術およびプロセス特性に関する性能と制約を評価するために徹底的な実現可能性調査を開始しました。ビジネスケースをサポートするために、同チームは、従来の流動床造粒バッチプロセスのポートフォリオから代表的な製剤を選択し、4 つの主要な分野、つまり時間、品質、コストおよび敏捷性に焦点を当てました。生産パラメータは、DoE (Design of Experiment: 実験計画法) を使用して比較的短時間に少量の生産と数回の試運転を行うことにより、定義されました。プロセスの安定性と再現性は、数多くの長期運転を通じてオンライン測定技術を使用することにより、確立しました。

長期運転から得たプロセスおよび錠剤の QC (quality control: 品質管理) を完全に分析したことで、プロジェクトチームはプロセスの安定性を確認し、環境条件の小さな変化によって引き起こされるプロセス感度の変動を評価することができました。プロセスデータと錠剤 QC データ間の優れた相関性により、チームはプロセスパラメータの設定および範囲を確認し、プロセスの堅牢性を十分に示すことができました。

CM を使用すると、(より効率的な DoE の結果として) プロセス開発が大幅に迅速になります。技術移転も大幅に加速されます。単位作業間の中間貯蔵ステップがなくなるため、スケールアップやプロセス移転が減少またはなくなり、サイクル時間も短縮されます。たとえば、ConsiGma™ 25 では、スケールアップがなくなります。造粒パラメータの生産への直接移転は、この造粒機が ConsiGma™ 1 と同じ設計であるために可能です。

品質の観点からは、はるかに集中的なプロセス監視と制御により、オペレータは通常のオペレーティングパラメータからの逸脱に率先して対処し、その結果、より安定性の高い一貫したプロセスを実行できます。オペレータインタフェースは、タッチスクリーン技術や論理ユーザグラフィックスを採用した、非常に使いやすいインタフェースです。

費用削減は、今日の産業、特に、開発、投資、生産費用と省エネ、QC および在庫分野で重要です。開発が高速化し、スケールアップへの取り組みが少なくなると、当然、開発費用に影響します。一方、装置のフットプリントの小型化により、投資費用と HVAC のエネルギー消費に関連する費用が削減されます。オンライン監視およびリアルタイムの放出テストにより、QC 費用が削減され、さらに、異なる単位作業を結合することにより、中間貯蔵費用もなくなります。最後に、ConsiGma™-1 は容易な開発を目的として設計されています。これは、ほとんどの小型研究所に対応でき、必要な場所に簡単に輸送できます。電気および水や圧縮空気などの標準のユーティリティしか必要としないため、このシステムは実用的なプラグアンドプレイを実現している上、高温溶融造粒用に構成することもできます。

結論

調査から、ConsiGma™ 技術を使用すると、最小限の API を使用しながら、プロセス開発を大幅に高速化して堅牢にできることがわかりました。開発および商業生産が ConsiGma™-25 ラインで行われる場合は、技術の移転は不要なため、実質的な市場投入までの時間が短縮され、コスト削減につながります。柔軟なプロセス技術のおかげで、システムの敏捷性がプロセス開発時に実証され、効果的で効率の良い DoE につながっています。プロセスの安定性と堅牢性は長期運転時に実証されました。また、リアルタイムのインライン測定で、あらかじめ設定した中間製品および最終製品の属性に基づいてプロセスを監視できる (およびこれらの属性の小さな変化を検出できる) ことも明らかになりました。

連続生産のメリット

  • 連続した品質の検証
  • リアルタイムの製品リリース
  • 費用削減
  • エネルギー効率の向上
  • CO2 排出量の削減
  • 市場投入までの時間の短縮
  • 製品ライフサイクルにわたる柔軟性の向上
    • バッチサイズが機械のサイズではなく、生産時間に依存
    • 同一の装置を研究開発と生産に使用可能
    • 各種技術を同じプラットフォームに結合可能
  • 品質向上
    • PAT ツール
    • 安定した状態、生産管理の向上

この記事に記載されている例から、CM は、開発のタイムラインの短縮を実現し、 高品質薬の QbD 開発および製造に最適であると結論付けることができます。『AAPS Newsmagazine』に最近記載されたように、これは患者に究極のメリットをもたらします。CM は、結果的に、より小型で効率良く動作し、環境にやさしい商業生産プラントとして実現されます。また、広範な PAT を統合してリアルタイムリリース (RTR) を実現することにより、効率の向上と QC 作業の著しい削減をもたらしています。

ConsiGma™ 1 高せん断力連続造粒機

ConsiGma 1 web

効率の良い研究開発用の高せん断力連続造粒機です。ConsiGma™ 1 は、初期の研究開発作業に適した、流動床乾燥機をオプションで搭載できるモバイルラボラトリ用連続造粒機です。この機械には以下の特長があります。

  • 柔軟性のある処理能力
  • スケールアップなし
  • 最小の損失
  • 迅速な切り換え
  • 高度な使用しやすいコントロール
  • 「すぐに使用可能」

GEA Process Development Center のテスト設定には、ConsiGma™ 打錠ライン一式が含まれています。このラインは、高せん断力連続造粒機と乾燥機に加え、MODUL™ P 回転式打錠機および連続コータで構成されています。特殊インラインブレンダが造粒および打錠間の外相で混合します。 

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