革新的電池材料を製造するためのセラミックス研究における柔軟性の高さ

03 May 2021

MOBILE MINOR®はKITにおける研究開発活動のために2015年に納入されました。情報源:KITのMarkus Breig(マーカス・ブライ)氏

MOBILE MINOR®はKITにおける研究開発活動のために2015年に納入されました。情報源:KITのMarkus Breig(マーカス・ブライ)氏。

カールスルーエ工科大学(KIT)のアプライド・マテリアルズ研究所 - エネルギー貯蔵システム(IAM-ESS)は、リチウムイオン電池(LIB)やリチウムイオン後のシステムなどのエネルギー貯蔵用新規材料の製造を検討する研究を行っています。重要な関心領域は、材料の化学的性質や目的の理解を深めて、陳腐化しない成分とシステムの創造を可能にするセラミックスプロセスの開発です。

例えば、IAMの最新の研究の一つでは、リチウムおよびマンガンに富む層状酸化物の形成と電圧分解度の構造的特徴に重点を置いています。Nature Communications 2019で発表された化学、材料科学におけるトップ50の出版物の一つとして評価されたIAMの研究結果は、マンガンに富むリチウム挿入化合物の電圧減衰およびその構造と組成依存性を系統的に研究した成果を示しています。

Dr Binder(バインダー博士)が下記グループの責任者になる以前にも以下のようなことが実現しています:合成・セラミックス粉末技術グループは1994年にKIT(旧称Forschungszentrum Karlsruhe)に加わりました。その時点でKITは2つのMOBILE MINOR®を使用していましたが、その一つは現在でもさまざまな研究分野で活発に利用されています。KITは数年前に別の装置を追加注文し、ごく最近には、バインダー博士のチームが2つの新しいMOBILE MINOR®を注文しました。そのうちの一つであるJubilee MOBILE MINOR®は、GEAの研究開発用途向け装置の顧客への2500回目の販売となりました。

「このHEMF合成パイロットプラントの新システムにより、KITは、これらの新規材料から大型電池セルの製造、解析を行うために、有望な電池材料の合成戦略をラボからパイロットプラント規模の装置に移動することが可能になります」

– 下記研究グループ責任者Dr. Joachim R. Binder(ヨアヒム・R・バインダー博士):KITのIAM-ESSにおける合成・セラミックス粉末技術グループ

KITにおけるHEMF電池材料研究の支援

このHEMF(ヘルムホルツ・エネルギー素材・生産研究所)は、エネルギー変換・貯蔵用途向けの新しく改良された材料の合成に特化した大規模な共同研究開発プラットフォームです。KITでは、HEMFのプロジェクトの一環として電池材料の合成パイロットプラントが設置されているため、KIT電池技術センターのバリューチェーン全体で電池の研究を行うことができるようになっています。

リチウムイオン電池での使用の可能性に関して、新しいまたは改良された電池材料を評価する場合は数グラムの試料で十分ですが、材料が有望な電気化学的特性を示す場合は、その性能をより大きな質量で確認する必要があります。大型リチウムイオン電池セルを製造するためには、大量の電池材料(最大10 kg)が必要であり、KITでは2つのMOBILE MINOR®を使用して必要な電池材料を製造する中規模の合成プラントが構築されています。このプラントは以下のタスクを実行します:

  • 小規模なラボ合成からスケーラブルなプロセスへの移行
  • 大型リチウムイオン電池セルの製造材料の調製
  • バッテリーシステム製造用材料の製造

このプラントの重要要件は、スケールアップ中に粉末の品質を維持し、再現性を確保することです。この中規模の合成プラントは、材料合成のための信頼できるプロセスを可能にするだけでなく、材料とプロセスの最適化における高度な柔軟性も可能にします。IAM-ESSでは現在、12人の意欲的なチームメンバーが合成・セラミックス粉末技術グループセクションでアプリケーション指向の科学的ブレークスルーの実現に取り組んでいます。

GEAはこの重要な取り組みを支援するために、研究開発用途に理想的な確立されたベンチマークを設定する乾燥技術であるMOBILE MINOR®にいくつかにセラミックスチームを提供しました。
「このHEMFの合成パイロットプラントのための新しいシステムにより、KITは、これらの新規材料から大型バッテリーセルの製造、解析を行うために、有望なバッテリー材料の合成戦略をラボからパイロットプラント規模に移行することができます」とバインダー博士は述べています。これらの柔軟性の高いパイロット規模の噴霧乾燥ユニットに加えて、その単管は、製粉、沈殿、または焼成などのプロセスのステップもさらに採用しており、近い将来には、KITバッテリーテクノロジーセンターで完全な電極製造も実施されます。

当社の科学者は、新規電極材料の合成に関する研究に加えて、現代の通信情報システムだけでなく、プリンテッド・エレクトロニクスの分野でも使用できるマイクロ波応用の強誘電体材料を検討しています。通常、1台の装置が強誘電材料、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)材料を噴霧乾燥するために使用される一方、複数の装置がリチウムイオン材料やナトリウムイオン材料を噴霧乾燥するために使用されます。GEA噴霧乾燥機器を使用して成果を挙げた長い伝統に基づいた2つの新しいMOBILE MINOR®による柔軟性の実現はゲームチェンジャーでした。このHEMFのプロジェクトが大きな処理能力/スループットを必要とする場合には、2つの新しい噴霧乾燥機を並行して使用できます。

「このプロジェクトにおける最大の課題は、研究開発活動のためのさまざまなGEAソリューションの長所と短所をKITチームとともに評価することでした」

– GEAセールスマネージャーGunter Philipp(ガンザー・フィリップ)

「それにもかかわらず、最終的には2つの独立したシステムの組み合わせによる柔軟性が勝利を収め、研究開発活動のために、当社はjubilee MOBILE MINOR®2500を最終的に納入することができました!」ガンザー・フィリップはコメントしています。改良設計を提供すると同時に、以前と同じコンパクトな設置面積を維持するGEAのMM-100噴霧乾燥機は、新しい高効率サイクロンCEE(Cyclone Extra Efficiency)を装備したMOBILE MINOR®シリーズの最新の追加製品です。

この新たに開発されたサイクロンCEEは、より高い分離効率を提供し、利用できる生産性を向上させ、排出量を削減します。世界中のほぼ2400のパイロットプラントに設置されている用途間で共用可能なMOBILE MINOR®噴霧乾燥機は、堅牢で信頼性が高く汎用的な装置です。プロセススケールアップ用途に理想的な装置であり、使いやすく、手入れと移動も簡単です。回転式噴霧器のためのこの汎用的なガス分散器および二流体ノズルは、オプションの低速ガス分散器(大型の噴霧乾燥機で使用されるDPHガス分散器と同規模の気流パターンを持つ)と簡単に交換して、ノズル噴霧を行うことができます。

噴霧乾燥は本質的に連続プロセスであり、高い生産性と均一な製品品質をともに提供することを目的として設計されています。噴霧乾燥は、より優れた材料、粉末を作製するだけでなく、医薬品を製造するためにも、ますます多くの化学薬品会社や医薬品会社が選択している方法です。この超高速で穏やかな乾燥技術は、粒子特性を明確にする独自の方法を提供します。

GEAは、研究開発、製品開発、少量生産用として特別に設計されたさまざまな噴霧乾燥機を提供しています。この操作しやすいMOBILE MINOR®は、粒子を分布させるのに噴霧器ホイールを使用しますが、大規模な設置では、特許取得済みのGEA Combi-Nozzleを使用して、均一な品質の製品を一貫して製造します。セラミックスコーティング封入またはNi、Co封入/封じ込めは、この設定で処理できます。

その活性状態にかかわらず、さまざまな材料構成と噴霧された粉末の粒度は、研究者がさまざまな材料を比較・評価できるように、正確かつ再現性の高いものである必要があります。「KITでの調査中、当チームは複数のMOBILE MINOR®を使用して、さまざまな用途に対応できる均一な前駆体、構造物質または顆粒を再生可能な方法で製造しました。この製造方法はこれまでのこのチームのテスト研究に大きな影響を与えるものでした」と付け加えたのは、バインダー博士です。このチームは、常に未来に目を向けて、リチウムエネルギー貯蔵システム後の新たなシステム開発にも既に取り組んでいます。我々はこれらの画期的な調査からどのような成果が得られるかを確認するために、引き続き期待をもって注目する必要があります。

化学品、医薬品の噴霧乾燥機の開発

当社は世界中で10,000を超える噴霧乾燥設備の契約・設置の実績を誇り、噴霧乾燥のあらゆる面のパイオニアであり、お客様が最適な機器を選択し、お客様の個々のニーズに合わせて各プロジェクトを評価するとともに、お客様の特定の要件に合わせてプロセスとGEA噴霧乾燥機をカスタマイズするお手伝いをすることができます。

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