Sternquell 醸造所、GEA 技術で生産を統合強化

完全自動醸造工程に対応する BRAUMAT®

伝統的な醸造所 Sternquell は、GEA 技術を使用して、ザクセン州フォークトラント郡プラウエン/Neuensalz 拠点で生産を統合強化しました。この新しい醸造所の施設では、貴重な原料と資源を最大限活用するため、醸造工程を完全自動化するネットワークシステムを実装しました。

Neuensalz への移転

品質と持続可能性への明確なコミットメントを表明した Sternquell は、その生産活動を Dobenstraße からプラウエン/Neuensalz に移転しました。その時点で、同社とコラボレーション経験があり、以前に BRAUMAT® 工程管理システムを設置した実績を持つ GEA が支援を提供するために招かれました。

しかし、その過渡期にはいくつかの問題がありました。この新たな生産拠点 Neuensalz は地震が発生しやすい場所と分類されていました。これは、新しいシステムを収容するスペースを確保するためだけでなく、床の基礎に鋼板を加えるため、以前に設置された酵母同化装置 (yeast assimilation equipment)、ピッチング制御システム、ビールチラーをすべて移動する必要があったことを意味します。さらに、この新しい醸造所に機械類を適合させるために、かなりの量の空間的配置の再考が必要でした。

「構造支柱と小屋組の周囲に配置される容器および醸造設備の位置は、センチメートル単位で計画する必要がありました」と、述べた GEA 営業部長 Matthias Schmidt は、「特に、天井高さの完全な設計と配管の徹底的な点検整備が必要でした」と、付け加えました。駆動部とバルブ類を受け入れる空間は通常の高さ 3 ~ 5 m と比較して、わずか 2.5 m でしたが、屋根を高くするという選択肢はありませんでした。

Sternquelle 醸造所のもう一つの重要な側面は、原料と資源の有効利用でした。「当社は、複数の生産拠点を一つに統合することで、醸造工程を持続可能に最適化するとともに、ビールと麦汁の日々の輸送を排除したかったのです」と、プロジェクト管理者 Rüdiger Senf 氏は説明します。また、特定の性能要件 (ろ過麦汁中の固体含有量 100 mg/L 未満、および煮沸時間 60 分未満) を満たすため、GEA は 5 容器醸造所で実践・実験された技術、MILLSTAR® 品質自動化ユニットなどを使用しました。

ハードスケジュールで取り組んだ結果、この新しい醸造所の設置は完了し、わずか 5 ヶ月で認定されました。新たな麦芽サイロプラントは、40 トン/時の摂取量と約 200 トンの貯蔵能力を有し、コンベヤーおよび吸引システムに加えて麦芽洗浄施設も有します。屋外/屋内設置を行った際、GEA は防爆エリアを最小限に抑えるように注意しました。Sternquell は、空間の調整に加えて、より効率的な醸造工程を実現し、生産の柔軟性を向上させる努力を怠りませんでした。GEA はこのように LAUTERSTAR® 濾過樽技術 を設置して、醸造工程を最適化し、サイクル時間の短縮を実現しました。

同様に、麦汁混合をより均一に行い、熱負荷を低減するため、JETSTAR®  設備が設置されました。2 レベル麦汁散布機は揮発性成分と望ましくない匂い物質を低蒸発速度で効率的に抽出して、チオバルビツール酸性指数 (TBI) を低下させ、ビールの風味を向上させます。別の JETSTAR® の利点は、熱変換プロセスと蒸発を独立して実行することが可能であるため、柔軟性が向上されることです。

コレクタに配管された麦汁ろ過パイプ付中央麦汁ろ過システム

中央麦汁ろ過システムでは、すべての麦汁ろ過パイプがコレクタに配管されています。これによって、構造がより明確になるとともに、機能性が向上し、洗浄も簡単になっています。

水回路の最適化

カスタマイズされた洗浄プログラムを使用する新たな CIP/SIP システムが必要な衛生要件を満たすために設置されたことから、現在は、酵母を添加する前に単一段階麦汁冷却システムが使用されています。麦汁をピッチング温度に 50 分未満で冷却することによって、麦汁内の熱すべてが醸造工程に転送されます。1 日あたり必要な醸造数に応じて、加熱された麦汁は連続冷却することも、電気の価格が低いときに冷却することもできます。

CIP/SIP 洗浄システム

CIP/SIP 洗浄システム

直感的かつ短縮された工程

試運転と並行して、オペレーターは 6 ヶ月の研修を開始しました。「当然のことながら、最新技術との取り組みには専門知識と理解力のいずれもが必要です」と、Rüdiger Senf が述べたのは新技術への転換について話し合いを行っていたときでした。「いずれにしても、私はオペレーターの熱気と興奮を決して忘れることはないでしょう」この新しい醸造所について Rüdiger が付け加えたのは以下の言葉です。“この新しい工程は直感的です。すべてがより快適かつ高速になりました - これは特に BRAUMAT® 管理システムを導入、拡張、設置したためです。

醸造所および冷却ブロックにおける工程段階すべてがリンクされており、完全自動醸造を最適化し、醸造サイクル時間が大幅に短縮されます。この新しいシステムで、同じ麦汁量の醸造時間を 4 時間から 150 分に短縮することができました。

BRAUMAT® V 7.0 は完全自動醸造工程管理を実現

遡ること 2004 年には、GEA は BRAUMAT® Version 5.3 を発酵および成熟のために新たに構築された地域に設置しました。今日、BRAUMAT® V 7.0 は完全自動醸造工程管理を行っています。

成熟した協力関係

プロセス ステップの合同評価中、GEA は Sternquell と緊密に協働して微調整および最終調整を実行しました。「両社の協働体制は常にソリューション志向に徹底していました」と Matthias Schmidt は述べます。「当社はシステム技術をご提供していますが、プロジェクト後の助言サービスを含み、お客様との長期的なパートナーシップを形成することを目的としています」システム全体の将来性を保証するため、GEA は保守、サービス提供、および考えられるレシピ変更に対応するコンサルティングサービスも対象範囲とする契約を含む広範囲にわたるサービスパッケージを作成しました。

日常業務における利点 – バランス

この新しい醸造所は 2016 年 8 月に正式に立ち上がりました。その日、Kulmbacher グループ最高技術責任者および Sternquell 醸造所常務取締役である Jörg Lehmann 博士は次の所感を述べました。「あまりにも長い期間離れていた従業員が、今日から一箇所で一緒に働くことができるようになりました。新しく、より高速なプロセスと作業手順は、当社従業員のモチベーションを高め、社内コミュニケーションを改善するのに役立っています」

要約すれば、この新しい醸造所は数々のポジティブな影響を生み出しています。Sternquell は、輸送を排除することによって経済的側面と感染リスクを最小限に抑えることに加え、環境の持続可能性への確固たる取り組みを行っています。「環境にやさしいことは Sternquell 醸造哲学の極めて重要な要素です」と、述べたのは Lehmann です。これには、水や天然ガスなどの天然資源の効率的な対応だけでなく、削減の可能性を特定して資源利用を行う意思決定も含まれています。結論として、GEA の技術に基づいたスマートな醸造所のエンジニアリングプロジェクトは、高性能で効率に優れた環境にやさしい処理加工の好例であることに意見が一致しました。

LAUTERSTAR® ろ過樽技術

LAUTERSTAR® ろ過樽技術

麦汁ろ過効率のマイルストーン

抽出収率の最大化と資源の有効利用は重要な課題ですが、新 LAUTERSTAR® を使用すれば、あらゆる面でメリットがあります。麦汁ろ過時間が短縮され、フラッシュ時間と洗浄時間が最小限に抑えられ、通常のシステムよりも運用コストと保守コストが低くなります。LAUTERSTAR® はとても効率的に機能するため、投資収益率が高く、ライフサイクルコストを低く抑えることができます。LAUTERSTAR® - 麦汁ろ過効率のマイルストーン。
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