パンデミックという課題にもかかわらず、Oliyar社は食用油精製施設の拡大に成功

GEAの支援と不屈の努力により、パンデミックという課題にもかかわらず、Oliyar社は食用油精製の拡張に成功

2019年6月にウクライナの食用油精製会社Privat Enterprises OLIYARは、既存のヒマワリと菜種油製造施設の拡張・最適化プロジェクトのパートナーとしてGEAを選定しました。

この拡張におけるOliyar社の野心的な目標は以下を必要としました:

•    植物油の品質の向上
•    機械の可用性とプロセスの生産性の向上
•    固定費の削減
•    GEAのプロセスの専門的技術の活用による初期投資の削減

水脱ガムと特殊な脱ガムを行うプロセスラインの標準ソリューションは2段階ラインです。しかしながら、植物油の品質を向上させるためのOliyar社の仕様によって、1段階ラインのためのプロセスソリューションの形でコストを節約できる可能性があることが判明しました。

食用油精製会社Privat Enterprises OLIYARはウクライナの大手植物油製造業者の一つです。

食用油精製会社Privat Enterprises OLIYARはウクライナの大手植物油製造業者の一つです。

「GEAは単純で標準的なソリューションなどは提供していませんでしたが、当社のニーズと仕様に正確に合わせて新しい精製プロセスを設計してくれました。その結果、水脱ガムと特殊な脱ガムの両方を1段階ラインで処理できるようになりました」- Oliyar社プロダクションマネージャーTaras Tsybuh(タラス・Tsybuh)

- Oliyar社プロダクションマネージャーTaras Tsybuh(タラス・Tsybuh)

GEA RSIセパレーターの機能によって製品の品質と生産性を向上

食用油は天然産物であることから、異なる成分を有する可能性があるため、その処理には注意が必要です。特に、望ましくない成分の組成は変動するため、このセパレーターがそれらの変動に適応できない場合は、分離 が起こり、その結果として油の品質と生産性が低下します。

GEA RSIセパレーターは、食用油がお客様特定の品質仕様を満たしていることを確実にするため、処理中にお客様がセパレーター設定を調整できる機能を搭載しています。Oliyar社が変動する食用油の組成に柔軟に適応して生産性を最大化するとともに、常に食用油の品質が仕様を満たすことを可能にしたのは、GEAの精製セパレーターのまさにこの微調整機能なのです。

GEA RSIセパレーターにはインテグレーティッドダイレクト駆動も搭載されています。これは、ギアやベルトなどのサポートシステムなしで動力を伝達するスピンドルに直接フランジ接続された駆動システムです。この設計は、エネルギーを節約するだけでなく、保守ストレスや休止期間(ダウンタイム)も減少します。

性能を向上させるもう1つの重要な特徴・機能は、GEAセパレーターのボール開閉メカニズムが純粋に油圧式で動作することです。この ボールは実行中に定期的に開いて、内部に溜まった固形物を排出します。この排出の際は、動作中にピストンが一瞬の間下降して、ボールが全速力で回転している間に、溜まった固形物が飛び出します。最新のセパレーターが利用するのは、スプリングなどの機械部品ではなく、ピストンを動かす油圧操作です。スプリングは時間の経過とともに摩耗するため、ピストン動作タイミングが不正確になり、製品ロスを引き起こし、最終的には生産性を低下させる可能性があります。その上、スプリングの摩耗は、お客様の油清浄機/遠心分離機のサービス時間と休止期間(ダウンタイム)の増加につながる可能性があります。

最後に、GEAの水中給餌システムはシンプルで信頼性の高い機械設計を特徴としており、機械の可用性と全体的なプロセスの生産性を向上させます。この特徴は、特に追加のメカニカルシールを必要とするシステムと比較した場合に顕著に表れます。GEAの水中給餌システムは、処理領域を密閉するのに製品自体を使用しているため、摩耗部品が少なくて済みます。

食用油精製所業界向けに特別設計されたGEA RSI 170セパレーター。

食用油精製所業界向けに特別設計されたGEA RSI 170セパレーター。微調整器、インテグレーティッドダイレクト駆動、水中給餌、油圧駆動ピストンなどを備えていることを特徴とします。個々には小さい特徴ですが、まとめると、プロセスの生産性と機械の可用性を高める特徴です。

品質と不屈の努力:世界的規模のパンデミックにもかかわらず予想を遥かに超える実績

Oliyar社は、調達段階でGEAをパートナーとして選定する多くの理由がありましたが、このプロジェクトの実行と機械の性能が最も重要な理由でした。

2019年の契約書への署名から今年の7月の試運転までの間に多くの変化がありました。最も顕著な変化は、コロナウイルスの蔓延により、ヨーロッパのほとんどすべての国がロックダウン(都市封鎖)を実施したことです。これにより、ドイツGEAのプロセス専門家がウクライナに旅行することは不可能になりました。ウクライナのサービスチームは、油清浄機/遠心分離機に必要なすべてのサービスと保守作業を行うために完全に設定され、高い熟練度を持っており、特に試運転に関しては豊富な経験があります。しかしながら、Oliyar社の新プロセスラインは単純で標準的なソリューションでは解決できないため、ドイツの精製専門家による支援が必須でした。ドイツGEAのチームはタイミングを逃さないために、ビデオ会議を介してウクライナGEAの同僚のために集中トレーニングスケジュールを準備しました。地元GEAのチームは、お客様サイトで同じプロセスを実行できるように、試運転プロセス全体について段階的に指導されました。

さらに、設置や試運転のためのRemote AccessなどのGEAデジタル工具も本プロジェクト中に非常に貴重であることが証明されました。ドイツのプロセスとアプリケーションの専門家は、安全なインターネット接続M-Guardを介して、Oliyar社のプロセスライン制御システムにリモートアクセスすることが可能でした。これにより、GEAが現場に行くことなしに、Oliyar社の油清浄機/遠心分離システムのテスト、運転、および最適化を支援できることが証明されました。お客様の機械へのアクセスをGEAに与えるこの技術と同様の技術により、お客様はトラブルシューティングの迅速なバックアップを利用することも、当社のプロセスと分離 のノウハウを利用することも可能になります。試運転中、ドイツGEAのプロセス・自動化専門家がそれぞれの試運転にオンラインで仮想的に「参加」し、実際には数千キロメートル離れているにもかかわらず、あたかも現場にいるかのようにプロセスとの相互作用と関与を可能にしました。

その結果は予想を遥かに超え、スループット容量結果と分離 結果のいずれも、オリジナルKPIで保証されたよりも優れた結果を達成しました」- Oliyar社プロダクションマネージャーTaras Tsybuh(タラス・Tsybuh)

- Oliyar社プロダクションマネージャーTaras Tsybuh(タラス・Tsybuh)

Oliyar社は「Majola」、「Sonyashna」、「Rodynna」、「Oliyar」というブランド名でひまわり油を製造しています。

Oliyar社は「Majola」、「Sonyashna」、「Rodynna」、「Oliyar」というブランド名でひまわり油を製造しています。

さまざまな種類の植物油ボトル

ファクトボックス

物理的精製の代替方法では、遊離脂肪酸を脱臭中に一段階で蒸留によって除去します。この方法を使用するための基本的な基準は、可能な限り効果的に原油を脱ガムすることですが、脱ガムは一部の原油品質で限られた範囲内でのみ可能です。また、綿実油や魚油などの油は基本的に物理的精製には適していません。GEAは、いずれのプロセスにも適したプロセスラインを提供することができます。
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